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【常識で解く企業経営理論】令和5年度 第6問:先行優位性

先行優位性に関する中小企業診断士試験・過去問での設問について、専門用語を知らなくても常識に基づいて解説します。

目次

企業経営理論 令和5年度 第6問

 企業の先行者優位性に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 技術が特許によって保護される状況では、技術の模倣や売買が不可能であるため、先行者となる企業の優位性が維持されやすい。

イ 顧客側のスイッチングコストが高い状況では、先行者となる企業の優位性が維持されやすい。

ウ 顧客の嗜好(しこう)の変化や新しい顧客ニーズが次々に生まれる状況では、先行者となる企業の優位性が維持されやすい。

エ 先行者の投資に対して後発者が大きく「ただ乗り」できる状況では、先行者となる企業の優位性が維持されやすい。

オ 非連続的な技術革新が頻繁に起こる状況では、先行者となる企業の優位性が維持されやすい。

正解 

解説

 この設問は、各選択肢の文章を常識に基づいて読解すれば、文脈だけで判断がつきやすい比較的平易な問題です。

ア 特許権は知的財産権であり、自由に売買できるため、「技術の売買が不可能」という部分が不適切です。

イ スイッチングコストは、製品やサービスをスイッチする(代替品に代える)際の金額や手間、心理的なコストであると想定できます。そのスイッチングコストが高い状況では、先行企業は、現状の獲得顧客の後発企業への買い替え等が起こりにくく、優位性が維持されやすいので、この選択肢は最も適切といえます。

ウ 顧客の嗜好の変化や新しい顧客ニーズが次々に生まれる状況で、買い替え需要が大きければ、従来どおりの価格や品質では、獲得した顧客の維持が難しく、先行者となる企業の優位性は維持されにくくなります。よってこの選択肢は不適切です。

エ 先行者が大きな投資をして市場開発したところに後発者が大きな投資をすることなく顧客を獲得することができる(ただ乗りできる)状況であれば、先行者となる企業の優位性が維持されにくいので、この選択肢は不適切です。

オ 非連続的な技術革新が頻繁に起こる状況では、これまでの技術の重要度が低下し、技術的な参入障壁は低くなります。さらに技術開発においては、後発者と同様の土俵で戦わなければならず、先行者となる企業の優位性が維持されにくくなることから、この選択肢は不適切となります。

他の設問

他の設問は以下をご覧ください。

中小企業診断士試験 常識で解く企業経営理論 過去問

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