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【常識で解く企業経営理論】令和4年度 第36問:地域ブランド

 地域ブランドに関する中小企業診断士試験・過去問での設問について、専門用語(用語の解説を参照)を知らなくても常識に基づいて解説します。

目次

企業経営理論 令和4年度 第36問

 地域ブランドに関する記述として、最も適切なものはどれか。

 地域空間のブランド化では、隣接する地域と連携することで相乗効果を発揮できることはあるが、飛び地など隣接していない地域との連携はブランドイメージが希釈されるため、協力し合うことはない。

 地域ブランドのコミュニケーションや販路拡大の実行を担当するのは、地域代理店や地域商社であり、これらはすべて地方自治体組織である。

ウ 地域ブランドは、地域自体を意味する地域空間ブランドと、地域が生み出すモノやサービスを意味する地域産品ブランドとに区別される。

エ 地域を他の全国の地域から差別化しブランド化を図るためには、地域の自然、遺跡、農畜産物、海産物などの多様な資源の中から全国でナンバーワンとなるような資源を見つけることが必須である。

オ ブランド化を目指す地域産品を選定する際に行われる地域資源の棚卸しでは、外部者の目ではなく、その地域を熟知している地元住民の目を通して選定していくという作業が必要である。

正解

解説

ア 地域同士が相乗効果を発揮できるのは、必ず隣接していなければならないということはなく、飛び地であっても連携して協力し合うことはあり得ることなので、この記述は不適切です。また選択肢において、「ことはない」といった断定的な記述は不適切な場合が多いです。

イ 地域代理店や地域商社は民間組織であり、地方自治体組織でないことは明らかです。

ウ 地域空間という言葉から、その土地や地域自体を表し、地域産品は地域で生産されるモノやサービスを表すことが想定されます。ただ、地域ブランドに、地域空間ブランドと地域産品ブランドがあることは、常識だけでは判別できません。よって、他の選択肢が不適切ならこの選択肢は正しいということになります。

エ 例えばよく知られている地域ブランドである、今治タオルや夕張メロンは、それぞれ全国でナンバーワンとはいえません。ナンバーワンというよりその地域独自のオンリーワンな産物などであることが地域ブランドであると考えるとこの記述は不適切です。

オ 地域産品を選定するにあたって、その地域を熟知している地元住民の目は重要ですが、客観的な外部の目も必要です。よってこの記述は不適切です。

用語の解説

【地域ブランド】

内閣府の報告書(平成17年度 年次経済財政報告)によると、地域ブランドとは、地域+商品・サービスを名称とすることによって、それ自体を一体化して、商品・サービス、ひいては地域そのものの価値を高めようとするものです(以下URL参照)。

https://www5.cao.go.jp/j-j/cr/cr05/chr05_1-2-2-2.html

【地域空間ブランド】

地域空間ブランドはその地域自体をブランド化したものであり、そのブランド力を高めることで、地域の経済的、文化的発展を目指します。

【地域産品ブランド】

地域産品ブランドは、地域で生産される製品をその地域と関連付けることで、製品のブランド価値をたかめることです。

他の設問

他の設問は以下をご覧ください。

中小企業診断士試験 常識で解く企業経営理論 過去問

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