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【常識で解く企業経営理論】令和5年度 第10問:プラットフォーム

プラットフォームに関する中小企業診断士試験・過去問での設問について、専門用語(用語の解説を参照)を知らなくても常識に基づいて解説します。

目次

企業経営理論 令和5年度 第10問

 プラットフォームを用いた戦略に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 1つのプラットフォームには、同業者だけを参加させる方が効果的かつ効率的である。

イ 参加者がプラットフォームから得られる効用は、参加者が増加するにつれて指数関数的に増加する。

ウ プラットフォームに参加する人が増えるほど、参加者がそのプラットフォームから得られる効用が増加することをフレーミング効果と呼ぶ。

エ プラットフォームは社会にとっての価値を生み出すものなので、規制は必要とされない。

オ プラットフォームを用いたビジネスでは、サービスの受益者には課金されない。

正解

解説

 プラットフォーム(用語の解説参照)は直訳すると基盤です。商品自体ではなく、基盤を提供するビジネスと考えます。フリマサイトやSNS、マーケットプレイス、フードデリバリーサービスなどを思い浮かべられれば、選択肢の適否は判断しやすくなります。

ア 1つのプラットフォームには、売り手や買い手などの参加者が多いほど価値が高まります。「同業者だけを参加させる方が効果的かつ効率的」とはいえません。よってこの選択肢は不適切です。

イ 上述のとおり、参加者が多いほど価値がたまり、効用は増加するのでこの記述は適切です。

ウ この記述は、ネットワーク外部性のことです。「フレーミング効果」(用語の解説参照)および「ネットワーク外部性」(用語の解説参照)の意味を知っていないと、記述の適否を判断しにくいと思われます。

エ プラットフォームは社会にとっての価値を生み出すものではあるが、規制が必要とされないとはいえません。例えば、デジタルプラットフォームにおける取引の透明性と公正性の向上を図るために、「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」が成立しました。
 以下のURLをご覧ください。
 デジタルプラットフォーム (METI/経済産業省)

オ サービスの受益者からの課金は、プラットフォームを提供するプラットフォーマーの収益になるため、「サービスの受益者には課金されない」という記述は不適切です。

用語の解説

【プラットフォームビジネス】
 プラットフォームビジネスとは、自社が商品・サービスを提供するのではなく、商品やサービスの提供者と利用者をつなぐ基盤(プラットフォーム)を提供するビジネスのことです。
 Amazonや楽天などのマーケットプレイスやフリマサイト、SNS、フードデリバリーサービスなど、多くの形態があります。

【フレーミング効果】 同じ意味を持つ情報であっても、フレーム(枠組み)の当て方によって、人によってまったく別の意思決定を行うという認知バイアスのことです。

【ネットワーク外部性】
 製品やサービスが、利用する者の数が増えれば増えるほど、その価値が大きくなる現象のことです。

他の設問

他の設問は以下をご覧ください。
中小企業診断士試験 常識で解く企業経営理論 過去問

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