伊達政宗は「独眼竜政宗」という異名で知られ、東北地域の繁栄を気づきました。もしも10年早く生まれていれば天下人になったのではないかと言われています。
激動の人生を歩んだ伊達政宗の教訓を7つ選んで書にしたためてお届けします。
伊達政宗の名言
成功は努力の産物である。天は、自ら助くるものを助く。
わからぬ将来のことを心配しているよりもまず目前の事をすることだ。
時を移さず行うのが勇将の本望である。
病気などまだ軽いからと油断することは不心得である。
物事は小事から大事が起こるものだ。
決して油断するな。
人の上に立つ者の一言は、深き思慮を伴っていなければならない。
軽率な発言などもってのほかである。
立身出世には三つの道がある。
一つは学問、もう一つは武芸、最後は仁徳である。
仁義礼智信を守れ。
これが五常の道なり。
仁に過ぎれば弱くなる。
義に過ぎれば固くなる。
礼に過ぎれば諂(へつら)いになる。
智に過ぎれば噓をつく。
信に過ぎれば損をする。
言葉の解釈
成功は努力の産物である。天は、自ら助くるものを助く。
自己実現や成功への道を開くためには、たゆまぬ努力・研鑽が必要であるとの教示です。
多くの犠牲を払い、努力を惜しまない人には、運も味方してくれると強調しています。
仙台藩62万石の礎を築いた伊達政宗ならではの言葉です。
わからぬ将来のことを心配しているよりも まず目前の事をすることだ。時を移さず行うのが勇将の本望である。
不確かな将来のことを過度に心配するより、目の前の課題に集中して全力で取り組むことが大切だという教えです。
タイミングを逃すことなく迅速、果敢に行動することが勇敢なリーダーシップの姿勢であると伝えています。
病気などまだ軽いからと油断することは不心得である。物事は小事から「大事が起こるものだ。決して油断するな。
慎重さや用心深さの大切さを教えています。
軽い病気は後々大病につながり、小さな問題を軽視することは、後になって大きな災いを招くことになる可能性が潜んでいるので、常に些細なことであても細心の注意を払うべきとの戦国時代を生き抜いた伊達政宗の教えです。
人の上に立つ者の一言は、深き思慮を伴っていなければならない。軽率な発言などもってのほかである。
指導者は、その権限やおかれた地位などから、発する言葉や行動が組織や社会に対して大きな影響を与えることがあります。
人の上に立つ立場にあるものは自らの言動が周りに与える影響を充分に考え、言葉を選び慎重な行動をとらなければなりません。
不用意な言葉を発するリーダーはもってのほかであると諫めています。
現在にも通じる教訓ですね。
立身出世には三つの道がある。一つは学問、もう一つは武芸、最後は仁徳である。
立身出世をするための三要素が述べられています。
一つは学問。教養を高めることにより人格の向上を高めることにより、人からの信頼を得ます。
もう一つは武芸。戦国時代においては武力を持つことは地位を得るための重要な要素です。
最後に仁徳。仁(人への愛情)と徳(人徳)を身に着け、品性のある人格を磨くことを目指します。
儒教思想では、特に人徳を持つことが最も重要なこととされていました。
仁義礼智信を守れ。これが五常の道なり。
この教示は、儒教思想から来ています。
仁義礼智信の具体的な解釈は次のとおりです。
- 仁(じん);人情や他人への思いやり。
- 義(ぎ) ;正義や道徳正しい行い。
- 礼(れい);礼儀、礼節。
- 智(ち) ;知恵や理性。物事を理解し、判断する能力。
- 信(しん);信頼や誠実。
これら5つの概念は、人格形成や社会秩序、人間関係維持のための基本原則を示しています。
日本では「五常」、中国では「五倫」と呼ばれるそうです。
伊達政宗は、これらを守り、道徳的な生き方をしなさいと教えています。
仁に過ぎれば弱くなる。義に過ぎれば固くなる。礼に過ぎれば諂(へつら)いになる。智に過ぎれば噓をつく。信に過ぎれば損をする。
何事も度が過ぎるのはよくない、伊達政宗が最も重要だとしている仁義礼智信ですらそうであると言っています。
「仁に過ぎれば弱くなる」:人情をかけ過ぎると、その人に言うべきことも言えず、弱くなります。
「義に過ぎれば固くなる」:正義を貫き過ぎると頑固になり、信用を失います。
「礼に過ぎれば諂(へつら)いになる」:礼儀正しくし過ぎると相手に媚び諂っているように思われます。
「智に過ぎれば噓をつく」:知恵に頼り過ぎると、策に溺れて嘘をつくようになります。
「信に過ぎれば損をする」:人を信じ過ぎると、だまされて損をします。
過ぎたるは及ばざるごとしということですね。