うすいエンドウの栽培のポイントは、①「か」のつく日に種をまく、②連作厳禁です。
約20年間小さな畑を借りて、試行錯誤しながら家庭菜園で野菜を育てています。週末に世話をして、種まきから収穫まで、おいしいうすいエンドウの育て方を紹介します。特にサラリーマン・自営の方など週末を利用した家庭菜園でのうすいエンドウ栽培の参考にしていただければ幸いです。
栽培のポイント
・「か」のつく日(11月2日~10日)に種をまく
・連作厳禁、豆類を3~4年植えていない場所を選ぶ
うすいエンドウの栽培スケジュール
ポットを区切って4粒種まき
種まきは11月上旬に行います。2日(ふつか)から10日(とうか)と、‘か’のつく日にまくのが理想です。
11月1日よりは早くまくと冬に大きくなりすぎて、霜が降りると枯れてしまいます。逆に11月11日より遅いと育ちが悪く良い豆ができません。
10日後くらいで発芽します。
ポットに4~5粒の種をまき、芽が出たら、本葉2枚くらいのときに2本程度に間引きをします。
下の写真のようにポットを4分割して1粒ずつ種をまいて土をかぶせると、間引くことなく発芽した苗はすべてを植え付けることができます。
仕切りの作り方は、ティッシュボックスを解体するなどして用意した厚紙を 上辺6cm、底辺9cm、高さ7cmの台形に切ります。台形厚紙の上辺から半分、底辺から半分切込みを入れたものを1セットとして、切込みどうしを重ねてポットに差し込み、4つの区画をつくります。
直まきの場合は、15cmおきに1粒ずつまき、2~3㎝覆土します。鳥に子葉を食べられないように防鳥ネットを張るか、半分に切ったペットボトルをかぶせます。うまく発芽しないところがあれば、近くの苗を小さいうちに移植して、株間を30cmくらいにします。
また、南に向けて傾斜をつけたところに種をまくと地温が上がり、発芽しやすくなります。
土つくり
直まきや苗植え付けから2週間前までに土つくりをします。
うすいエンドウの根は過湿に弱いので畝はなるべく高くします。
幅70㎝×長さ1.5mの畝(約1㎡)に発酵鶏糞を4ℓ(約1.5㎏)、苦土石灰を150gを混ぜます。
ちなみに鶏糞の成分比率は以下のとおり実を成らせる燐酸成分が多く、油粕などに比べ早く効きます。また、土にまくと少し臭うので、地中に埋め戻すことをお勧めします。
・窒素(葉を育てる)・・・・・・・約2%
・燐酸(実を成らせる)・・・・・・約5%
・加里(根を育てる)・・・・・・・約3%
苗を植え付けたら藁かけが大切
11月下旬、本葉が2~3枚になった頃に25~30㎝間隔に植え替えます。霜よけと風よけのため、苗の周囲に藁を立てるようにかけます。つるが出てくると藁に絡んで上に伸びていきます。藁がなければ枯れたアスパラや背の高い雑草などを代用すると良いでしょう。
ツルが上に伸びるよう誘引
春になってツルが伸びると、風通し良くするため、絡み合っているつるを上に揃うよう、また、横に伸びたツルをビニールひもで、上に伸びるように誘引します。
また、孫ヅルは実がつきにくいので、早い目に摘み取ります。風通しを良くするために摘み取った方が良いのですが、週末のみの家庭菜園だとこまめにはできないので、そのままにしていても大きな支障はありません。
追肥は3回、水のやりすぎに注意
追肥は化成肥料を1㎡あたり一握り程度(約50㏄)、次の3回行います。
① 3月初旬~中旬:つるが伸び始めたころ。
② 4月中旬~下旬:花が咲いたころ。
③ 5月中旬~下旬:さやが成りはじめたころ。
早くから追肥をすると苗が大きくなっています。苗高は20㎝くらいが理想的で、それ以上大きくなると冬越しの際、寒さに弱くなります。
また、水やりは、土の表面が乾いてから行います。うすいエンドウは過湿を嫌うので、水のやりすぎに注意しましょう。
収穫は5月から6月上旬
収穫は5月中旬から6月上旬、実が太って、さやに少ししわが入った頃が適期です。
来年の種を取るため、一枝を葉が枯れるまで残しておきます。緑色のまま収穫したうすいエンドウを乾かして種をつくるより、枝についたままうす茶色になった種の方が発芽率が良くなります。