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【常識で解く企業経営理論】令和2年度 第37問:顧客満足

顧客満足に関する 中小企業診断士試験・過去問での 設問について、常識に基づいて解説します。

企業経営理論 令和2年度 第37問

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 サービス・マーケティング研究は、①顧客満足研究と相互に影響しあいながら新しい考え方を生み出してきた。市場の成熟化にともない経済のサービス化が進む中、顧客満足を追求する企業のマーケティング手法にも、新しい発想が求められている。

(設問 1 ) 文中の太文字①に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 企業の現場スタッフが顧客と接する瞬間における顧客満足を向上させ、好ましいブランド体験を安定的に提供するためには、顧客に接する最前線の現場スタッフの権限を高める一方、中間のマネージャーは現場スタッフを支援する役割を担う。

 イ 新規顧客の獲得が難しい現況においては、不良顧客に対して最も多くの企業資源を配分し、彼らの顧客レベルを上げるべく積極的にサービスを展開し、サービスからの退出を防ぐべきである。

 ウ 中程度に満足している顧客でも、簡単に他社へスイッチすることがなく、値引きに対する要求は少ないため、今日的な顧客満足戦略では、不満状態から満足状態への引き上げを極めて重視している。

 エ 日本では高度経済成長期の頃から、企業は新規顧客の獲得よりも既存顧客維持の重要性を認識していた。

正解

解説

ア 「現場スタッフへの権限移譲」や「中間マネージャーの現場スタッフ支援」など記述のとおりで、最も適切です。

イ 現況においては「新規顧客の獲得が難しい」のだから、優良顧客を重要視することは明らかです。優良顧客とは、継続して取引をしてくれる顧客で、こちらの説明が筋の通ったものであれば、ケチをつけたりしません。不良顧客は、単発だったり、時々しか取引がなく、値引きを迫ってきたりトラブルを起こしたり、厄介な顧客のことだと想像できます。不良顧客のレベルを上げることと、優良顧客に対し継続的にサービスを強化することとどちらがコスト高かを考えれば、この選択肢が不適切なのは明白です。

ウ 業種や取扱商品によって、中程度に満足している顧客が、簡単に他社へスイッチすることがないとは言い切れません。よって不適切です。

エ 高度経済成長期やバブル期のように、市場そのものが拡大している時期には、新規顧客獲得を最優先に行っていたので不適切な記述です。

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