キュウリ栽培のポイントは、①苗の定植時の風よけ、②こまめな水やり、③早めの収穫です。
約20年間小さな畑を借りて、試行錯誤しながら家庭菜園で野菜を育てています。週末に世話をして、種まきから収穫まで、おいしいキュウリの育て方を紹介します。特にサラリーマン・自営の方など週末を利用した家庭菜園でのキュウリ栽培の参考にしていただければ幸いです。
キュウリ栽培のポイント
・苗の定植時には、寒冷紗かレジ袋で風よけを行う
・水やりはこまめに
・巨大にならないうちに早めの収穫
キュウリの栽培スケジュール
種まき
4月下旬から6月下旬にポットに種をまきます。収穫時期には、次から次への実がなるので、2~3週間ごとに時期をずらして少しずつ種をまくと長い間収穫できるのでおすすめします。
4月の種まきであれば3週間くらい、6月の種まきなら約1週間で発芽します。
もちろん直まきでもOKです。キュウリ種を直まきする場合は、発芽した新芽を取りに食べられないよう、半分に切ったペットボトルに穴をあけてかぶせるか、不織布でトンネルを作り、寒冷紗をかけます。
また、一つの枝からたくさん実がなるので、ホームセンターや園芸専門店で苗を1~2本だけ買って定植すれば、家庭菜園での栽培では十分です。良い苗を選ぶポイントは、緑色が濃く、葉や茎が太いものです。カボチャで接ぎ木されたキュウリ苗は、割高ですが、連作障害を起こさず育てやすいので、おすすめです。
自分で接ぎ木苗をつくる場合
キュウリの接ぎ木苗は、以下のようにして自分でもつくることができます。接ぎ木された苗は、カボチャなど地中の栄養分を吸い取る力の強い植物が台木になるので、たくさんのキュウリが採れ、収穫期間も長くなります。
土つくり
定植の1週間前までに畝をつくります。幅70cm×長さ1.5m(約1㎡)の畝を深く掘って鶏糞堆肥5ℓ(約2㎏)、化成肥料250㏄を埋め戻して、苦土石灰230㏄をすきこみます。
水をまいてビニールマルチをかけます。生育期間が長いので丁寧に敷いて、周りを土で押さえます。雑草除けにもなるので黒マルチがおすすめです。
ちなみに鶏糞の成分比率は以下のとおり実を成らせる燐酸成分が多く、油粕などに比べ早く効きます。また、土にまくと少し臭うので、地中に埋め戻すことをおすすめします。
- 窒素(葉を育てる)・・・・・・・約2%
- 燐酸(実を成らせる)・・・・・・約5%
- 加里(根を育てる)・・・・・・・約3%
苗の定植では風よけが大切
5月の連休くらいから7月初旬くらいにかけて苗を定植します。
黒マルチに約40cm間隔に穴をあけて、苗を植え付けます。
キュウリの苗はデリケートです。定植するときには、風よけのため、不織布の寒冷紗をかけます。寒冷紗がない場合は、レジ袋などのビニール袋の底を切って、苗を被い、割り箸か細い棒で四隅を固定して風よけをする方法もあります。
支柱
定植後2~3週間たったら、寒冷紗等をはずします。
1.8m~2mの支柱を立てて、合掌型に組み合わせ、横木を渡してひもで固定します。支柱から支柱までの間にネットを掛けて、誘引します。その後は、自分で絡みつくので手間がいりません。
整枝
風通しを良くするため、下から3段目までの脇芽を取ります。下葉が茂ると泥はねし、病気の元になります。
茎が伸びてくると、脇芽に花を2~3個付けたらその先の芽を摘み取るのが理想です。ただし週末菜園では、手が回らないので、伸ばし放題にしても十分収穫できますので、あまり神経質にならなくでも大丈夫です。
親ヅルは、支柱の高さに成長したら、そこで摘心します。親ヅルを摘心すると、子ヅルが成長し、そこにたくさんの実がなります。
10日ごとの追肥と こまめな水やり
主枝が支柱の高さに成長したころから、10日ごとに追肥を施します。マルチの外側に化成肥料を1㎡あたり約150cc(一握り約50㏄が目安)を土になじませます。
やり方は、マルチの端をはがして肥料を少し埋め戻し、マルチを元に戻した後、養分を土に浸透させつために肥料を埋め戻したところにたっぷり水やりをします。根元に肥料を直接まくと肥料焼けを起こすので注意しましょう。
特に7~8月の追肥と水やりは、キュウリの奇形果の予防になります。
キュウリは水分が必要な野菜です。水やりはこまめに行い、朝8時までか午後4時以降に通路にたっぷり行うのが理想です。
また、暑い季節には、マルチの上から、藁や刈草、干し草を敷くと保湿と土の温度安定に役立ちます。
収穫はこまめに
キュウリの収穫は3~4日ごとが適期です。大きくなった実をいつまでもつけていると、枝が疲れてきて、収穫時期が短くなります。おいしいうちにこまめに採りましょう。
週末菜園でも平日の1~2日は早朝に採りに行くか、家族にお願いして大きくならないうちに収穫しましょう。