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【常識で解く企業経営理論】令和2年度 第18問:リーダーシップ

 リーダーシップに関する中小企業診断士試験・過去問での設問について、常識に基づいて解説します。

企業経営理論 令和2年度 第18問

 組織メンバーの帰属集団に対する一体化とリーダーシップに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 集団の凝集性が高いほど、個人が集団の意思決定に参加していると感じる程度が低くなり、集団圧力が弱くなるので、公式の権限に基礎を置くリーダーシップが有効になる。

イ 集団の中で個人の欲求が充足される程度が高くなると、特に集団の目標に一体化する必要がなくなるので、集団内の相互作用を支援するようなリーダーシップが必要になる。

ウ 組織の外部に参加することができる代替的選択肢を持っているメンバーは、帰属集団の目標への一体化の程度が高くなるので、集団外部の人々と交流を促すリーダーシップが有効になる。

エ 他の集団との競争が激しくなる中で、帰属集団の威信が高くなると、集団に対する一体化の程度が強くなるので、上位集団や他の集団に対する影響力を持ったリーダーシップが有効になる。

正解

解説

ア 集団の凝集性(後述します)という言葉の正確な意味が分からなくても、文字から類推すると集団に凝り固まって集まるのだから、集団圧力が弱くなるという記述に違和感を覚えます。よって不適切な記述です。

イ 集団の中の個人の欲求は充足される程度が高くなれば、目標が一体化する度合いも高くなるので、この選択肢も矛盾を感じます。よってイは不適切です。

ウ 外部に参加することができる代替的選択肢を持っているのだから、内部の組織にこだわる意識は低くなるはず。帰属集団の目標への一体化の程度が高くなるというのは、矛盾を感じます。よってこの記述も不適切です。

帰属集団内で一致団結しており、他の集団とは敵意丸出しのメンバーで構成する組織であれば、他集団への影響力のあるリーダーが欲しいはずです。

ということで、エが最も適切な記述といえます。

用語の解説

集団凝集性とは、集団が構成員をひきつけ、その構成員を集団の一員となるように動機付ける度合いのことです。

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