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【常識で解く企業経営理論】令和2年度 第9問:ベンチャー企業

 ベンチャー企業に関する中小企業診断士試験・過去問での設問について、常識に基づいて解説します。

企業経営理論 令和2年度 第9問

 米国において起業家教育、起業家研究のパイオニアと称されるJ.A.ティモンズは、数多くのベンチャー企業の成功事例や失敗事例の調査から、事業機会、経営資源、経営者チーム、それらをコントロールする起業家からなる、ベンチャー企業が成功するためのモデルを構築した。

 このモデルに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 事業機会、経営資源、経営者チームが常に適合していることが重要であり、不均衡が一時的にでも生じないように3つの要素を管理する能力が起業家に求められている。

イ 事業機会、経営資源、経営者チームの3つの要素が均衡することはまれであり、ベンチャー企業の経営は不安定であることを前提としているので、起業家の役割は不安定な状態にある3つの要素のバランスを取ることである。

ウ 事業機会、経営資源、経営者チームの3つの要素の中で、ベンチャー企業は優れた経営者チームによって始められることを前提としているので、経営者チームが他の要素と比べて弱くなる状態は想定していない。

エ 事業機会、経営資源、経営者チームの3つの要素の中で最も重要なものは事業機会の発見であり、事業機会を実現するために必要な経営資源不足への対応は、起業家の役割ではない。

正解

解説

ア 経営が安定した古くからの大企業ではなく、ベンチャー企業なのだから、「事業機会、経営資源、経営者チームが不均衡であることが多い」のは想像がつきます。また、不均衡が一時的にでも生じないように3つの要素を管理する能力が起業家に求められているわけではありません。よって、不適切な記述です。

イ 上記のことから、均衡することはまれで、経営不安定が前提、起業家の役割は、「3つの要素のバランスを取ることはまれ」という記述は適切といえます。

ウ J.A.ティモンズは、成長の可能性が高い新規企業は、最初に有望な事業機会を発見し、そのために必要な経営資源と創業者(経営者チーム)を作り上げるといっているのですが、常識的に考えても事業機会の乏しいところに経営者チームが頑張ってみてもビジネスモデルは成功しないと考えられるので、不適切な記述です。 エ 最も重要なものは事業機会の発見であることはうなずけますが、問題文の冒頭に3つの要素をコントロールする起業家からなる、ベンチャー企業が成功するためのモデルと記載してあることから、経営資源不足への対応が重要であることが判断できるので、不適切です。

エ 最も重要なものは事業機会の発見であることはうなずけますが、問題文の冒頭に3つの要素をコントロールする起業家からなる、ベンチャー企業が成功するためのモデルと記載してあることから、経営資源不足への対応が重要であることが判断できるので、不適切です。

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