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【常識で解く企業経営理論】令和3年度 第21問:同型化

 同型化(isomorphism)に関する 中小企業診断士試験・過去問での 設問について、常識に基づいて解説します。

企業経営理論 令和3年度 第21問

 組織は社会的に正当性を獲得する必要が高くなると、組織間の類似性が高くなる同型化(isomorphism)が生じる場合がある。同型化を強制的(coercive)同型化、模倣的(mimetic)同型化、規範的(normative)同型化に分けて考えるとき、同型化に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア ある組織形態を採用して成功している組織があると、それをベンチマークすることで組織内外から正当性を獲得しやすくなるので、規範的同型化が生じやすい。

イ 同じような教育課程を受けたものが異なる組織に所属している場合、異なる組織でも横断的な集団規範が正当性を獲得する根拠となるため、規範的同型化が生じやすい。

ウ 政府による規制があると、それに従う方が正当性を獲得しやすいので、模倣的同型化が生じやすい。

エ 組織文化は組織メンバーへの行為の強制力を持つため、類似の組織文化を持つ組織間では、強制的同型化が生じやすい。

オ 法律に従うことが正当性の根拠を提供する場合には、規範的同型化が生じやすい。

正解

解説

 強制的同型化、模倣的同型化、規範的同型化(後述します)について、詳細な意味を知らなくても各々の名称から選択肢の適否が判断できます。

ア 成功している組織をベンチマークとして正当性を獲得しやすくなるということは、成功している組織をモデルとして模倣するという行動し、規範的ではなく模倣的同型化が生じやすいので、不適切な選択肢です。

イ 「集団規範」が正当性を獲得すると記載されているので、規範的同型化が生じやすいという記述は適切です。

ウ 政府による規制があるということで、規制によって強制されることから強制的同型化が生じやすいので、不適切な選択肢です。

エ 組織文化が組織全体の行動・思考様式だと考えると、類似の組織文化を持つ組織間では、規範的同型化が生じやすくなり、不適切な選択肢です。

オ 法律に従うことは、法に強制されるという観点から強制的同型化が生じやすくなるので、不適切な選択肢です。

用語の解説

強制的同型化、模倣的同型化、規範的同型化について、東京大学大学院経済学研究科 安田 雪教授、高橋伸夫教授(2007) によるDiMaggio and Powell (1983)では、以下のようにまとめられています。

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