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常識で解く企業経営理論】令和3年度 第34問:クチコミ

 クチコミに関する 中小企業診断士試験・過去問での 設問について、常識に基づいて解説します。

企業経営理論 令和3年度 第34問

 クチコミに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア ある消費者に対して、その消費者がまだ全く知らない製品やサービスについて知らせるためには、広告よりクチコミの方が受け入れられやすい傾向がある。

イ 一般的に大規模なオンライン・コミュニティでは、自ら発言や投稿をせずに他の参加者の様子を見ているだけの参加者が全体の半分程度含まれることが知られている。このような参加者はオンライン・コミュニティに悪影響を及ぼすため、企業がオンライン・コミュニティを開設しマーケティングに活用する際には、すべての参加者が活発に発言するように誘導するべきである。

ウ コミュニティとは一般に共通の関心や地理、職業などによって参加者が結びついた集団を指す。中でもオンライン・コミュニティはソーシャルメディア上に開設されるものが多いため、地理、職業などの社会的要因を軸に参加者が結びつくことが特徴である。対照的にオフライン・コミュニティでは、参加者が共通の関心によって結びつくものが多い。

エ ネガティブなクチコミほど広まりやすいことが知られているが、このことからも分かるように消費者は製品やサービスの欠点を確認し回避するためにクチコミを利用する傾向が強い。これに対して、製品やサービスの長所を確認するために参照する情報としては、企業が発信する広告の方が全般的に信頼できる。

正解

解説

クチコミは、身近な媒体です。常識的に考えれば選択肢の適否が判断できる問題です。

ア まったく知らない製品やサービスに対して、その製品・サービスが良いものであるかどうかを知ろうとするとき、消費者は、広告にはむしろ懐疑的で、クチコミを参考にします。よって適切な記述です。

イ オンライン・コミュニティ(後述します)は、発言・投稿する者だけでなく、発言・投稿を利用するために参加する者が存在するからこそ有効となるので、すべての参加者が活発に発言するように誘導するべきであるという記述は不適切です。

ウ オンライン・コミュニティオフライン・コミュニティの説明が逆です。オンライン・コミュニティは参加者が遠隔においても共通の関心によって結びついています。よって不適切な選択肢です。

エ 実際にクチコミを利用するにあたって、製品やサービスの欠点を確認し回避しようとするよりも、評判が高い製品やサービスを探していることが多いのではないでしょうか。常識的に考えると、「消費者は製品やサービスの欠点を確認し回避するためにクチコミを利用する傾向が強い。」という記述は不適切です。

用語の解説

 オンライン・コミュニティは、異なる住居や異なる生活時間のメンバーが共通する趣味や考え方などによって、インターネット上で形成された集団のことです。
 発信者からの一方通行で、メンバーは情報を受け取るだけのコミュニティや双方向でコミュニケーションを行うオンライン・コミュニティがあります。

 一方、オフライン・コミュニティは、従来での地域交流や職場内でのつながりによって、リアルな場として形成されるコミュニティのことです。

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