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【常識で解く企業経営理論】令和3年度 第4問:コア製品

 コア製品に関する 中小企業診断士試験・過去問での 設問について、常識に基づいて解説します。

目次

企業経営理論 令和3年度 第4問

 G.ハメル(G. Hamel)とC.K.プラハラード(C. K. Prahalad)によると、コア製品とは、コア・コンピタンスによって生み出された製品であり、最終製品の一部を形成するものである。
 このコア製品に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア コア製品で獲得したマーケットシェアが、最終製品で獲得したマーケットシェアを上回ることはない。

イ コア製品のマーケットシェアを拡大することは、コア製品への投資機会の増加につながり、コア・コンピタンスを強化する機会になる。

ウ コア製品は、特定の製品や業界につながっているものであり、複数の製品や業界に展開することはない。

エ コア製品を同業他社に販売すると、コア製品を販売した企業の最終製品の競争力は低下する。

正解

解説

 問題文にコア製品の説明が記載されています。これを基に各選択肢の記述を常識で適切か否かを判断していきます。

ア 例えば、美味しい蕎麦屋さんが秘伝の出汁を店頭販売したとします。最終製品であるお蕎麦よりもコア製品の一つである出汁の方が良く売れることはあり得ます。よって、上回ることはないというのは、不適切です。

イ コア製品はコア・コンピタンス(後述します)から生み出されるのであるから、そのコア製品がマーケットシェアを拡大すれば、選択肢の記述のとおりになります。よって、この選択肢は適切と判断できます。

ウ コア製品は、当初の最終製品以外の製品や業界に展開することはあり得ます。例えばカメラの光学レンズを顕微鏡など別の製品に展開するなど。

エ コア製品を同業他社に販売することによって、量産効果が発揮されて、最終製品のコスト低下により競争力が増大する場合があります。よってエは不適切です。

 アやイの「~ことはない」という言い切った表現が使われている選択肢は、不適切であることが多いので、疑ってみるべきです。

用語の解説

コア・コンピタンスとは、企業活動における中核となる強みのことです。

 G.ハメル(G. Hamel)とC.K.プラハラード(C. K. Prahalad)は、「他社には真似のできない自社ならではの価値を顧客に提供する中核的な力」と定義づけています。

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