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【常識で解く企業経営理論】令和4年度 第35問:デジタル社会の消費スタイル

 デジタル社会の消費スタイルに関する中小企業診断士試験・過去問での設問について、専門用語(用語の解説を参照)を知らなくても常識に基づいて解説します。

目次

企業経営理論 令和4年度 第35問

近年のデジタル社会の進展は、デジタルに慣れ親しんだ世代を中心に、それ以前の世代の生活者とは異なる消費スタイルを形成しつつある。このような今日の新たな消費スタイルを特徴づける記述として、最も適切なものはどれか。

ア 移り気で気まぐれなソリッド消費

イ カタチあるモノに対する執着

 消費を通じての一貫したアイデンティティの形成

エ 脱物質主義

オ 長期的な所有を通じた商品やブランドへの愛着や安心感の獲得

正解

解説

ア ソリッドを直訳すると固定です。デジタル社会は「固定的」から「流動的(リキッド)」に変化していくと想像できます。また、移り気で気まぐれなのは、固定的な意味合いのソリッド消費(用語の解説参照)ではないと判断できます。よってこの記述は不適切だとわかります。

イ デジタル社会では、むしろカタチのあるモノに対する執着は薄く、移り気で気まぐれな消費を好むとアの記述からも判断できます。

ウ 一貫したアイデンティティを形成するのは、設問冒頭記述の「デジタルに慣れ親しんだ世代」よりも、むしろ「それ以前の世代の生活者」の特徴であることは常識的に判断できます。よってこの記述は不適切です。

エ 「脱物質主義」は、イのカタチあるモノに対する執着の裏返しです。デジタル社会で求められる概念であると想定されます。よってこの記述が最も適切と判断できます。

オ 長期的な所有やブランドへの愛着は、デジタル化以前の世代の生活者の消費スタイルであるといえるので、この記述は不適切です。

用語の解説

【ソリッド消費】

 ソリッド消費は、「物質主義」であり、「長期に所有」することを目的とします。「購買と所有」を消費の価値として求め、「ロイヤルティ形成」が消費の特徴です。

【リキッド消費】

 リキッド消費は、「脱物質主義」であり、所有が目的でなく、「短期的・一時的な使用」を対象とします。「シェアリングと使用」を消費の価値として求め、「脱ロイヤルティ」を消費特性があり、「移り気で気まぐれ」な消費行動が特徴です。

他の設問

他の設問は以下をご覧ください。

中小企業診断士試験 常識で解く企業経営理論 過去問

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