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【常識で解く企業経営理論】令和5年度 第17問:目標設定理論

目標設定理論に関する中小企業診断士試験・過去問での設問について、専門用語(用語の解説を参照)を知らなくても常識に基づいて解説します。

目次

企業経営理論 令和5年度 第17問

 E. A. ロックと G. P. レイサムらが提唱した目標設定理論に則した管理者の判断と行動に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 自分には目標を達成できる能力があるという信念を持つ人ほど、達成が困難な状況になると目標を断念する傾向があるため、自分の能力を過信しないように部下に伝えた。

イ 達成に多くの努力を要する目標は、達成できる見込みが立てづらく部下からの反発や抵抗が予想されるため、容易に達成できる業績目標を設定した。

ウ 達成の難易度が高い目標を設定するにあたっては、部下にその目標を受容させることが重要であるため、その目標が公正で妥当であることを強調して部下に伝えた。

エ 一人ひとりの目標の内容が職場で公表されると、目標に対するコミットメントが阻害されるため、各自の目標が互いに知られることのないように配慮した。

オ 明確な数値目標を設定すると、目標達成に対する心理的プレッシャーが高まり、部下の達成意欲が低下するため、自由に解釈できる定性的な目標を設定した。

正解

解説

ア 常識で考えると、自分には目標を達成できる能力があるという信念を持たない人ほど、達成が困難な状況になると目標を断念する傾向があるので、この記述は不適切です。

イ 達成に多くの努力を要する目標は、むしろやる気と刺激を与えるため、容易に達成できる業績目標を設定することは得策とはいえません。よってこの記述は不適切です。

ウ 達成の難易度が高い目標を設定するのであれば、公正で妥当な目標であることを強調して部下に納得させる必要があります。逆に難易度の低い目標ならその必要はありません。よってこの記述が最も適切といえます。

エ 一人ひとりの目標の内容が職場で公表されると、部下のやる気に刺激を与え、目標に対するコミットメントが高まると考えるのが通常です。よってこの記述は不適切です。

オ 不明確な数値目標の設定の方が、部下の達成意欲が低下します。よってこの記述は不適切です。

用語の解説

【目標設定理論】
 E. A. ロックと G. P. レイサムらが提唱した目標設定理論では、モチベーションを上げるために以下の要素が挙げられます。
 ① 目標がある程度の難易度が高いこと。
 ② 本人が納得している目標であること。
 ③ 目標が定量的で具体性があること。
 ④ フィードバックを行うこと。
 ⑤ 目標に優先順位をつけること。

他の設問

他の設問は以下をご覧ください。
中小企業診断士試験 常識で解く企業経営理論 過去問

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