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【常識で解く企業経営理論】令和5年度 第34問:ブランディング

ブランディングに関する中小企業診断士試験・過去問での設問について、専門用語(用語の解説を参照)を知らなくても常識に基づいて解説します。

目次

企業経営理論 令和5年度 第34問

 ブランディングに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア BtoB マーケティングでは、BtoC マーケティングに比べて特定少数の顧客を対象とすることが多いため、ブランディングは不要である。

イ あるブランドについて、これまで蓄積されたブランド資産を捨てて資産ゼロからスタートするブランド強化戦略では、既存ブランドを全く新しいブランドへと置き換えるため、ブランド管理の中でもリスクの高い戦略である。

ウ ブランディングが成功しているブランドは、他社ブランドとの機能の違いを知覚させる識別機能によって、コモディティ化が進む市場において自社ブランドが選ばれる理由を与えている。

エ ブランディングにおいては、製品やサービスを消費者の使用シーンと関連づけ、消費者に夢や期待、イメージを抱かせることによって、マインド・シェアを獲得することが重要である。

オ ブランドの価値構造において、基本価値、便宜価値、感覚価値は、ブランドとしての基礎となる価値であり、観念価値は当該ブランドと消費者との間に唯一無二の存在としての絆を形成する価値である。

正解

解説

ア 確かにBtoC マーケティングでは、ブランディングは重要で、その重要性もBtoB マーケティングに比べて高いといえます。しかし、BtoB マーケティングにおいてもブランド力が必要なこともあるので、ブランディングが不要というわでではありません。

イ ブランド強化戦略は、ブランドを強化するということだから、既存ブランドを強化することを考えると、これまで蓄積されたブランド資産を捨てて資産ゼロからスタートするものではありません。

ウ ブランディングが成功しているブランドは、ブランドイメージによって差別化に成功しているので、機能の違いを知覚させているのではありません。

エ 例えば、「○○といえば◇◇」というイメージを抱かせるブランドイメージは、マインド・シェアを獲得することが重要です。よってこの選択肢は適切といえます。

オ ブランドの価値構造において、①基本価値、②便宜価値、③感覚価値、④観念価値の4つの価値に分類されると、文面から想定します。これらの中で、消費者との間に唯一無二の存在としての絆を形成する価値を、何か主観的なものと考えれば、③と④が該当します。これにより、①基本価値、②便宜価値は基礎的な価値であり、③感覚価値、④観念価値が消費者との間に唯一無二の存在としての絆を形成する価値と判断できます。よってこの選択肢は不適切です。

用語の解説

【ブランドの価値構造】
 ブランドの価値構造は以下の4つの価値に分類されます。

  • 基本価値;テレビは映る、自動車は人を乗せる、洗剤は汚れを取るなど、最低限その商品等に備わっているべき価値です。
  • 便宜価値;自動車なら乗り易さなど、商品等に便宜性を付加された価値です。
  • 感覚価値;五感に訴えかける魅力であり、楽しさを与える価値です。
  • 観念価値;伝統や理念、物語性など、商品の背景といった品質や機能以外の概念を付加した価値です。

他の設問

他の設問は以下をご覧ください。

中小企業診断士試験 常識で解く企業経営理論 過去問

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