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【常識で解く企業経営理論】令和5年度 第4問:経験曲線効果、価格戦略

経験曲線効果、価格戦略に関する中小企業診断士試験・過去問での設問について、専門用語(用語の解説を参照)を知らなくても常識に基づいて解説します。

目次

企業経営理論 令和5年度 第4問

 経験曲線効果を用いた価格戦略に関する以下の記述について、空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 それまでにない全く新しい製品を発売する場合や、製品自体の存在が認識されておらず市場がなかなか拡大しない場合、製品ライフサイクルの初期段階でコストリーダーとなるためには、【 A 】戦略をとる必要がある。この戦略は、需要を喚起させるために思い切った低価格を設定し、ライバル企業よりも先に自社製品の生産数量および販売数量を増やすというものである。当該製品の経験曲線効果が【 B 】、コスト低下のペースが【 C 】場合、この戦略はより効果的である。

〔解答群〕

ア A:上澄み価格  B:大きく  C:速い

イ A:上澄み価格  B:小さく  C:遅い

ウ A:上澄み価格  B:小さく  C:速い

エ A:浸透価格   B:大きく  C:速い

オ A:浸透価格   B:小さく  C:遅い

正解

解説

 上澄み価格戦略(用語の解説を参照)は、字面から推測すると、美味しいとこ取り戦略というイメージなので、高価格に設定して、初期の段階から利幅を取る価格戦略であると考えられます。
 記述には、「低価格を設定し」とあるので、Aは〔浸透価格〕(用語の解説を参照)が入ると推測できます。
 市場浸透を図るのであれば、コストを低下させるため大量に生産・販売する方が有利になります。そうであれば、経験曲線効果(用語の解説を参照)が大きい方が作れば作るほど、コストが低くなるので、有効だといえます。よってBには〔大きく〕が入ります。その際、当然コスト低下のペースが速い方が効果的です。よってCには〔速い〕が入ります。

用語の解説

【経験曲線効果】
  製品の累積生産量が増加するに従って、生産性が高まり単位コストが一定割合減少するという経験法則を示した曲線のことです。   

【上澄み価格戦略】
 スキミング・プライシングともいいます。新製品の発売段階で、高額所得層など価格にこだわりのない購買層をターゲットにして、価格を高めに設定することによって、収益を確保する価格戦略です。

【浸透価格戦略】
 初めから低価格に設定して市場シェア確保を図る戦略です。

他の設問

他の設問は以下をご覧ください。

中小企業診断士試験 常識で解く企業経営理論 過去問

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