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【常識で解く企業経営理論】令和5年度 第9問:吸収能力(absorptive capacity)

吸収能力(absorptive capacity)に関する中小企業診断士試験・過去問での設問について、専門用語(用語の解説を参照)を知らなくても常識に基づいて解説します。

目次

企業経営理論 令和5年度 第9問

 企業におけるイノベーションには外部からの知識が欠かせない場合が多い。イノベーションのプロセスにおいて重要とされる吸収能力(absorptive capacity)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 多くの企業にとって、吸収能力を高めることが研究開発投資の最大の目的である。

イ 企業の吸収能力は、新しい知識やスキルを組織内部のメンバーに共有させる組織能力であり、組織内の個人が保有する既存の知識とは関係がない。

ウ 企業の吸収能力は、個々の構成メンバーの吸収能力に大きく左右されるため、個人の吸収能力の総和と考えられる。

エ 吸収能力とは、既存知識によって新しい情報の価値に気付き、それを活用する能力である。

オ 吸収能力は、研究開発部門に特有の能力である。

正解

解説

 設問分の前段では、吸収能力(用語の解説参照)が、外部からの知識が自社のイノベーションのプロセスにおいて重要と記載されています。これに基づいて選択肢アからオの適否を考えます。

ア 外部からの知識を吸収することは、研修開発投資の手段であって、最大の目的とはいえません。よってこの選択肢は不適切です。

イ 組織内の個人が保有する既存の知識を組織内で共有することによって外部からの知識をイノベーションに応用するのであるから、この選択肢は不適切です。

ウ 個々の構成メンバーの吸収能力に大きく左右されるという記述は適切です。しかし、個々人の吸収能力が合わさってシナジー効果を発揮しより大きな企業の吸収能力となることを期待するため、単なる総和ではありません。よってこの選択肢は不適切です。

エ 外部から知り得た知識は既存知識といえます。そこに新しい情報の価値に気付き、それを活用する能力という記述は適正といえます。

オ 吸収能力は、研究開発部門だけでなく多くの部門で活用すべき能力であり、この選択肢は不適切です。

用語の解説

【吸収能力】
 社外の知識を認識し、吸収・同化し、事業目的のために応用する力のことです。

他の設問

他の設問は以下をご覧ください。

中小企業診断士試験 常識で解く企業経営理論 過去問

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