ダイコン栽培のポイントは、①種は秋まきがお勧め、②堆肥を使わない方がよい、③お勧め品種は鞍馬大根です。
約20年間小さな畑を借りて、試行錯誤しながら家庭菜園で野菜を育てています。週末に世話をして、種まきから収穫まで、おいしいダイコンの育て方を紹介します。特にサラリーマンや自営の方など週末を利用した家庭菜園でのダイコン栽培の参考にしていただければ幸いです。
栽培のポイント
- 春まきと秋まきがあるが、秋にまくのがお勧め
- 堆肥を使わない方が先割れしにくい
- お勧めは鞍馬大根
栽培のスケジュール
お薦めの種類
これまで作った中では、秋まき「鞍馬大根」がお薦めです。筋が少ないので、生のままでサラダにすると歯触りがよく、おでんなど煮ても柔らかいダイコンです。また、ウイルス病にも強いので作りやすく、家庭菜園初心者にお勧めです。
種はホームセンターや園芸専門店で手に入ります。
畝はできるだけ高く
土つくりは、種まきの2週間前に済ませておきます。
ダイコンは過湿に弱いので、畝はできるだけ高くします。
30cmくらい深く掘り、幅70cmで1.5m程度(約1㎡)ごとに配合肥料約200㏄を入れ、苦土石灰約200㏄表面にまいて、土玉ができないようにしっかり耕します。
苦土石灰は、酸性土を防ぐことと、成分にカルシウムを含んでおり、細胞壁を強くする効果があります。
堆肥を使うと十分分解されていない場合、先割れする可能性があります。
配合肥料は1~2週間で分解するので、先割れの心配が少なくてすみます。
どうしても有機肥料を使いたい場合は、種をまく直下に置かず、畝の両端に深い溝を掘って1㎡あたり牛・鶏糞堆肥2kg(約5ℓ)と化成肥料を一握り(約50㏄)を埋めます。
畝には、黒マルチシートを敷きます。防虫効果と肥料が雨で流さないためです。また草抜きの手間が省けます。
種まきは秋がお勧め
種まきは、3月下旬~4月中旬の春まきと、8月下旬~9月中旬の秋まきがありますが、春まきはトウが立ちやすく栽培が難しいので、秋にまくのがお勧めです。
マルチに穴をあけ、少し掘って30cm間隔でダイコンの種を5~7粒まき、5㎜程度土を被せで軽く押さえます。
発芽直後のダイコンの双葉は柔らかく、鳥に食われやすいので、寒冷紗をかけて防ぎましょう。
寒冷紗は虫よけにもなるので、種をまいたらすぐにかけるのがおすすめです。
1~2週間で発芽します。
こんなやり方も
15cm間隔のマルチの穴に2粒ずつ種をまいて、間引きの時に30cm間隔にすると、2本から1本を引き抜くので間引きがしやすくなります。
本葉4~5枚になるまで待って1本立ちにすることによって、大きめの間引き菜が採れます。
間引き
2回に分けて間引きします。
間引きしたダイコンは、栄養豊富で葉がやわらかくおいしく食べられます。
1回目の間引き
本葉1~2枚のとき3本程度残します。
2回目の間引き
本葉4~5枚のとき1本立ちにします。
追肥と土寄せ
2回目の間引きのあと、追肥します。同時にマルチをしていない場合、土寄せを行います。
化成肥料を1㎡あたり一握り(50㏄程度)ダイコンに当たらないように追肥します。
マルチの場合は、土寄せは不要で、マルチの上から化成肥料をばらまきます。雨が降れば、穴から養分が入るので大丈夫です。
2週間後にも追肥を施しましょう。
水のやりすぎに注意
水のやりすぎには注意しましょう。水分を多く含むと根が割れることがあります。ダイコンは地中深くから水分を吸収するので毎日水をやる必要はありません。地表が乾いたらやるようにしましょう。
収穫
葉が少し垂れ下がった頃が収穫適期です。種の袋に記載の種まき後の収穫日数を目安にするのが無難です。
茎の根元の部分とダイコンの首を持ち、少し左右に揺らしたのち、真っ直ぐ上に引き抜くようにして収穫します。
夏に収穫する春まきダイコンは、スが入りやすいので、少しずつ早めに収穫します。
葉が黄色くなったら早く抜き取りましょう。放置するとダイコンが割れたり老化してしまいます。
冬場に収穫するダイコンは、畑に植えたまま保存することができるので、太くなったダイコンから順次収穫します。それでも置きすぎると老朽化してスが入るので注意してください。