ジャガイモ栽培のポイントは、①石灰のやりすぎに注意、②土寄せまたは黒マルチ、③連絡厳禁です。
約20年間小さな畑を借りて、試行錯誤しながら家庭菜園で野菜を育てています。週末に世話をして、種まきから収穫まで、おいしいジャガイモの育て方を紹介します。特にサラリーマン・自営の方など週末を利用した家庭菜園でのジャガイモ栽培の参考にしていただければ幸いです。
ジャガイモ栽培のポイント
① 石灰のやりすぎに注意
弱酸性(5.5〜6.0pH)の土壌を好みます。7.0 pH を超えるとイモの表皮がでこぼこになるソウカ病にかかりやすくなります。
石灰は土壌を弱アルカリ性にするので、やりすぎには注意しましょう。
② 土寄せまたは黒マルチ
イモに日光が当たると、皮が緑化してソラニンという有毒物質が生成されます。これを食べると、吐き気や腹痛を起こします。
しっかりと土寄せをして、または黒マルチでイモに日光が当たらないようにします。
③ 連作厳禁
ジャガイモは連作障害を引き起こしやすい野菜の一つです。同じ土壌で続けて栽培すると、「青枯病」や「モザイク病」などの病気を起こしやすく、土壌内の養分のバランスが崩れるリスクがあります。
また、ジャガイモはナス科の植物なので、ナスやトマト、ピーマンのあとに栽培することも連作障害のリスクが高まります。
ニジュウヤホシテントウムシなど、ナス科特有の害虫に悩まされることがあります。
ジャガイモ栽培のスケジュール
土つくりは肥料控えめに
70cm×1.5mほどの畝を深く掘り、牛糞堆肥1ℓ(約400g)と化成肥料一握り(50㏄)程度を埋め戻して、苦土石灰約50㏄を畝の表面にまきます。できるだけ肥料は控えめに施しましょう。
本来なら、種芋の植え付け2~3週間前に土つくりをしておかなければなりません。すぐに植えると種芋が腐っていまう可能性があるからです。
しかし、それまで他の野菜を収穫したところなので、やむなく土つくりがぎりぎりになってしまった場合、畝を深く掘り、種芋に触れないように肥料を入れ、上から土をかぶせます。
pHは5.5〜6.0が目安です。石灰のやりすぎに注意しましょう。それから鶏糞堆肥はアンモニア態窒素を多く含んでいるので、アンモニア過多になり、ジャガイモにはあまりお薦めではありません。
種芋は50g程度にカットして植え付け
2月中旬~4月上旬 ジャガイモの種芋を植え付けます。
ただし、3月下旬から4月上旬に植えると、収穫時期が梅雨の時期を迎えることになるので、できるだけ早い目に植えることをお勧めします。
種芋は、ホームセンターなど園芸専門店で購入できます。
芽が出てしまった食用のジャガイモでも種芋として使えなくはありませんが、土に植えると腐ってしまう場合が多いので、種芋を植えた方が無難です。
100g~120gの種芋を半分にカットし、50g程度にします。
150g以上の種芋なら3分の1にカット。
種芋の臍というか、お尻というか、元々親芋とくっついていたツルの跡を下にして、縦に切ります。
草木灰を切り口に塗ると土の中で腐敗しません。
しかし、草木灰がなければ、カットした切り口を日光に1日当てます。
切り口が少し白くなったものを大体30cm間隔で畑に植え付けます。
植え付けは、種芋の切り口を下にして、芽が上に伸びるようにします。
3~4週間で発芽
種芋の植え付けから、3~4週間後、芽が出ます。
ただし、芽出しが十分でない種芋を2月中旬に植えると1月以上かかります。
芽かきは大切
芽が10㎝くらいになったら、芽かきをします。3~5本くらい芽が出ているので、葉の色が濃く、大きく育った芽を1~3本残します。
そのとき、種芋が植わっている地面をしっかり押さえていらない芽だけを抜きます。種芋ごと抜けてしまうと植えなおしがきかないので注意してください。
芽の数は、少ないほど、大きな芋、多いほど小さな芋ができます。芽が1本だとかなり大きな芋が採れますが、空洞化する場合があるので、個人的には2本の芽を残すのがお勧めです。
2週間ごとに土寄せ
芽かきをしたら、土寄せをします。
その後、2週間ごとくらいに土寄せをします。
土寄せは、ジャガイモが日光に当たると、緑色になり、毒性を持ち、食べられなくなります。それを防ぐため、大切な作業ですので、こまめに行いましょう。
黒マルチをしている場合は、土寄せは不要です。
追肥は2回
最初の土寄せのとき(芽かきをした頃)、化成肥料を畝1mごとに100g程度、1回目の追肥をします。
草丈が30cmくらいになった頃に2回目の追肥をします。
摘花
花が咲いたら、できれば取り除きましょう。大きな影響はありませんが、ジャガイモに必要な栄養が花に取られてしまうからです。
晴れた日に収穫
葉っぱが黄色くなり、枝が倒れたころに収穫します。
2~3日晴れた日に収穫するのがベストです。ジャガイモは雨で土が濡れている状態で収穫すると腐りやすくなります。
こんなジャガイモが収穫できました。
ジャガイモの後作
ジャガイモの後作には、ネギがおすすめです。
ネギはジャガイモの連作障害を緩和する作用があります。