ニンニク栽培のポイントは、①深く耕す、②石灰散布は控えめに、③過度な防寒は厳禁です。
約20年間小さな畑を借りて、試行錯誤しながら家庭菜園で野菜を育てています。週末に世話をして、ニンニクの鱗片植え付けから収穫まで、おいしいニンニクの育て方を紹介します。特にサラリーマン・自営の方など週末を利用した家庭菜園でのニンニク栽培の参考にしていただければ幸いです。
ニンニク栽培のポイント
・連作障害がない
・土つくりは深く耕す
・弱酸性(PH5.5~6.0)が最適なので、石灰は少なめに
・ビニールトンネルなど過度な防寒は厳禁
栽培のスケジュール
土つくり
連絡障害がないので、昨年植えた畝を耕しても大丈夫です。
植え付けの2週間前に深く耕し畝を作ります。
元肥は、70cm×1.5m(約1㎡)の畝に牛糞堆肥5ℓ(約2㎏)程度と化成肥料100㏄を埋め戻します。
PH7が中性のところ、PH5.5~6.0(弱酸性)くらいが最適なので、苦土石灰などは控えめに。
栽培期間が比較的長いのでマルチビニールを張れば、雑草抜きの手間が省けます。
ニンニクの鱗片を植付け(早植えしない)
9~10月の最高気温が25℃以下、地温が20℃くらいの頃を目安に植え付けましょう。早い時期に植えると芽が出ず、種ニンニクが腐る場合があります。
種ニンニクを植付ける数日前から冷蔵庫に入れておくと(予冷といいます)発芽しやすくなります。長い間予冷するとスポンジ状になるときがあるので注意しましょう。
鱗片をばらして、1片ずつ、15cm間隔で、覆土が4~5cmかかるくらいで植え付けます。
発芽
1か月くらいで発芽します。
薄皮をむいて植え付けると、発芽が早く、後の成長も早くなるとのことですが、下の写真のように発芽も生育もあまり変わりはありませんでした。
予冷した種ニンニクは早く発芽します。
下の写真は植え付けてから2週間後の状態です。
麻紐で区切った左側は予冷したもの、右側は常温保管した種ニンニクを植え付けたものです。
土が乾いたら水やり
ニンニクは乾燥に強く、過湿に弱いので、土が乾いたら水やりをします。
土日祝日にしか畑に行けない方には、ちょうどよいサイクルです。
芽かき
1片のニンニクに2本の芽が出ていることがあります。そのままにすると生育が阻害されますので、短い方を引き抜きます。
その際には、残す方の芽が抜けないように土をしっかり指で押さえて抜きます。
追肥は大事
ニンニクは、多くの肥料が必要です。追肥は、12月、2月、3月に行います。
追肥には鶏糞が良いのですが、少し匂うため、家庭菜園では近所迷惑になる可能性があり、化成肥料が無難です。
化成肥料であれば、70cm×1.5m(約1㎡)くらいの畝に100㏄(一握り50㏄が目安)が適量です。
マルチを張っていてもマルチの上にバラまけば、雨で穴に流れ込むので十分効果があります。
過度な防寒は厳禁
ニンニクの球は、寒さに当たって太る性質があるので、ビニールトンネルなど過度な防寒は厳禁です。
花芽(トウ)は切除
ニンニクの芯の部分から花芽(トウ)が出てきます。こちらに養分を取られてしまいますので、切除しましょう。
切除したニンニクの花芽は、豚肉や牛肉と炒めるなどして食べられます。
3~5割くらい枯れたころに収穫
6月ごろ、葉が黄色くなり、3~5割くらい枯れたころに収穫します。
ただし、かなり枯れるまで置きすぎると香りが少し薄くなり、変形したニンニクができる場合もあります。
左下の写真くらいほとんど枯れてから収穫したニンニクの中に右下のような巨大化して変形したものがありました。
ニンニクの保存の仕方
収穫したニンニクは、外皮を剝いて網袋に入れて、雨の当たらない風通しの良い場所に吊るしておくと1年くらい保存できます。
また、薄皮まで剝いて、冷凍庫に保存してそのまま料理に使います。冷凍すると2年くらいもちます。冷蔵庫に入れると芽が出てきてしまうので、注意しましょう。