玉葱栽培のポイントは、①種まきは早すぎず遅すぎず、②マルチングが効果的、③追肥は3月上旬までです。
約20年間小さな畑を借りて、試行錯誤しながら家庭菜園で野菜を育てています。週末に世話をして、種まきから収穫まで、おいしい玉葱の育て方を紹介します。特にサラリーマンや自営の方など週末を利用した家庭菜園での玉葱栽培の参考にしていただければ幸いです。
玉葱栽培のポイント
- 種まきは早すぎず遅すぎず
- マルチングが効果的
- 追肥は3月上旬まで
玉葱の種類と栽培スケジュール
玉葱には、黄玉葱と赤玉葱、それから成長する早さにより極早生、早生、中晩生などいろいろな種類があります。
早生玉葱は、4月の終わりごろに収穫できる代わりに保存期間も短くなります。一方、中晩生の玉葱は、6月くらいにやっと収穫できる代わりに保存期間も長いです。
家庭施菜園ですと、そんなに大量に栽培するわけではないので、早生がお勧めです。日陰に干しておけば、お盆くらいまでは保存できます。
極早生、早生、中晩生それぞれの種まきや収穫時期の目安は下表のとおりです。
種まきは早すぎず遅すぎず
種まきは、早生玉葱なら、9月初・中旬、中晩生玉葱は、9月下旬にまきましょう。
種まき時期が早すぎると、トウ立ち(花軸がのびること)が多くなります。遅すぎるとすぐに冬が来て、根の伸びが悪く、大きい玉葱ができません。
ベランダや庭先でポットやプランターでの種まきと畑での苗床づくりによる種まきの方法があります。苗床はポットで作るより苗が早く育つので、1週間くらい遅い目に種をまいても大丈夫です。
直接畑での苗床は、乾燥すると発芽しにくいので、不織布で覆うなどして直射日光を避けましょう。
発芽
種まき後、1~2週間程度で発芽します。
ベランダや庭先では、いつでも水をやれるので、発芽率は高いです。ただしポットは土の量が少ないため、苗の成長が遅くなるので、プランターでの種まきの方がよい苗ができます。
下の写真は、同時に種まきをした苗です。左のプランターと右のポットでは、断然生育が違います。
土つくり
幅70cm、長さ1.5m(約1㎡)あたり鶏糞2ℓを埋戻して、苦土石灰250ccを散布し、高さ10cmの畝をつくります。特に玉葱は酸性土を嫌うので、石灰をまいて中和させることが大事です。
黒マルチをかけると、冬の間の根張りがよく、よい玉葱ができます。また雑草駆除の手間も省けます。マルチビニールはホームセンターで売られています。
苗の植え付けは浅い目に
苗が鉛筆くらいの大きさになれば、植え付けます。
また、園芸品店で苗を買って植えてもよいでしょう。
浅い目に植え付けます。必ず、小さく膨らんだ白い部分が見えるように植えましょう。
直立させる必要はありません。生育すると、直立してきます。
玉葱の越冬
玉葱は基本的に寒冷に強いので、霜や寒風に当たって葉先が枯れても暖かくなれば成長が再開します。
ただし中心部の葉が枯れると全体が枯れてしまいます。そこで12月から2月までは念のため寒冷紗などのトンネルで霜や寒風を緩和させます。
また、枯れた葉は、病気の原因になるので、ハサミで切り落としましょう。
追肥は3月上旬まで
追肥は、化成肥料を1㎡につき50g程度ずつ2回施します。1回目は1月に2回目は2月下旬から3月上旬に追肥します。有機肥料にこだわる場合は、分解するのが遅いので1月に1回だけ施します。これらは、3月の成長期に効いてきます。また、有機肥料の追肥では、他の有機肥料に比べて分解が早く、リン肥料が多い鶏糞がお勧めです。
化成肥料は3月中旬以降、有機肥料は2月以降には追肥しないようにしましょう。長く追肥し続けると、葉がいつまでも成長し、大きな玉葱になりません。また首のしまりが悪くなるのと、苦みが増して、おいしい玉葱ができません。
収穫は葉が倒れたころ
早生は、5月上旬ごろ、中晩生6月上旬ごろに葉が枯れて倒れたら球根部分を持って引き抜きます。
収穫後は、3~5個葉を縛って、風通しの良い日陰に吊るしておくと長く保存が可能です。湿気が多いところで保存すると発芽が始まり、養分を芽に吸い取られて味が落ちるので注意しましょう。