中小企業診断士試験の企業経営理論には、5フォースモデルや多角化戦略、製品ミックスなど、テキストに掲載されている専門用語の意味がわからなくても問題文を冷静に読むと常識だけで解答できる設問がかなりの数、出題されています。
常識と文章の読解だけで選択肢から正解を選ぶ方法について、実際の過去問を使い、解説していきます。
企業経営理論 出題の特徴
企業経営理論は、中小企業診断士試験一次試験の受験科目の中で、最も範囲の広い科目の一つです。
実際の一次試験では、テキストに載っていないような応用問題が出題されることがあり、そのような設問はテキストに書かれている専門用語とその意味を暗記しても、なかなか正解にはたどり着けません。
しかし、問題文を冷静に読むと、専門的用語を知らなくても、常識や文章の読解、文脈からの類推によって解答できる問題が見られます。
常識で解く企業経営理論過去問の解説
テキストに記載されている専門用語の意味がわからなくても、ある程度の常識で選択肢から正解を選ぶ方法について、令和5年度、令和4年度、令和3年度および令和2年度の過去問を使い、解説していきます。
ここでは、常識および文章の読解のみで解答できる問題だけを掲載しております。
仮に掲載したすべての問題を正解すると、公表された配点を足し上げたら、令和5年度48点、令和4年度48点、令和3年度44点、令和2年度52点を獲得することになります。
企業経営理論 過去問
以下の問題は、令和5年度、令和4年度、令和3年度および令和2年度に出題された企業経営理論の問題の中で、常識および文章の読解のみで解答できる問題を掲載しており、どのように選択肢を読み解けばよいかを解説しています。
<経営戦略論>
企業経営理論R5第1問 企業ドメイン
企業経営理論R5第4問 経験曲線効果、価格戦略
企業経営理論R5第5問 競争地位別戦略
企業経営理論R5第6問 先行優位性
企業経営理論R5第7問 M&A、戦略的提携
企業経営理論R5第9問 吸収能力(absorptive capacity)
企業経営理論R5第10問 プラットフォーム
企業経営理論R5第11問 暗黙知
企業経営理論R5第12問 多国籍企業
企業経営理論R4第4問 市場シェア(占有率)
企業経営理論R4第6問 垂直統合
企業経営理論R4第9問 イノベーションのジレンマ
企業経営理論R4第15問 渉外担当者(boundary personnel)
企業経営理論R3第1問 多角化戦略
企業経営理論R3第3問 M&A(企業の合併・買収)
企業経営理論R3第4問 コア・コンピタンス
企業経営理論R3第5問 年平均成長率(CAGR)
企業経営理論R3第6問 5フォースモデル
企業経営理論R3第7問 競争戦略
企業経営理論R3第9問 スリーサークルモデル
企業経営理論R3第12問 情報財
企業経営理論R3第13問 企業の社会的責任(CSR)
企業経営理論R2第1問 競争優位
企業経営理論R2第3問 売り手と買い手の交渉力
企業経営理論R2第4問 企業の競争優位
企業経営理論R2第5問 多角化とM&A
企業経営理論R2第9問 ベンチャー企業
企業経営理論R2第10問 経路依存性、グループ・シンク、組織文化
企業経営理論R2第11問 スリーサークルモデル
企業経営理論R2第12問 国際的展開
企業経営理論R2第13問 デファクト・スタンダード、ネットワーク外部性
<組織論>
企業経営理論R5第14問 組織形態
企業経営理論R5第17問 目標設定理論
企業経営理論R5第18問 リーダーシップの条件適合理論
企業経営理論R5第19問 集団の機能と集団内の人間行動
企業経営理論R4第17問 組織における政治的行動
企業経営理論R4第18問 組織のライフサイクル仮説
企業経営理論R4第19問 組織スラック
企業経営理論R5第21問 資源依存パースペクティブ
企業経営理論R4第20問 個体群生態学モデル
企業経営理論R4第21問 職務再設計、勤務形態
企業経営理論R3第17問 組織コミットメント
企業経営理論R3第18問 集団思考(groupthink)
企業経営理論R3第19問 コンフリクト
企業経営理論R3第20問 組織のパワー
企業経営理論R3第21問 同型化(isomorphism)
企業経営理論R2第17問 組織の発展段階モデル
企業経営理論R2第18問 リーダーシップ
企業経営理論R2第19問 期待理論
企業経営理論R2第20問 職務特性
企業経営理論R2第23問 人事評価
<マーケティング論>
企業経営理論R5第23問 組織変革に対する抵抗
企業経営理論R5第30問 企業と消費者が共同した製品開発
企業経営理論R5第31問 卸売業
企業経営理論R5第32問 クチコミ、インフルエンサー
企業経営理論R5第34問 ブランディング
企業経営理論R4第28問 ブランド
企業経営理論R4第29問 価格
企業経営理論R4第32問 サービス、顧客満足
企業経営理論R4第33問 製品ライフサイクル(PLC)
企業経営理論R4第34問 製品開発
企業経営理論R4第35問 デジタル社会の消費スタイル
企業経営理論R4第36問 地域ブランド
企業経営理論R3第30問 共創(co-creation)
企業経営理論R3第34問 クチコミ
企業経営理論R3第35問(設問1) 広告
企業経営理論R3第36問 地域ブランディング
企業経営理論R2第28問 マーケティング・コンセプト、顧客志向
企業経営理論R2第29問 市場セグメント、市場価格
企業経営理論R2第30問 広告
企業経営理論R2第32問 製品ミックス
企業経営理論R2第33問 社会的アイデンティティ
企業経営理論R2第37問(設問1) 顧客満足
この解説における、おすすめの勉強方法
ここでの勉強の仕方は、過去問を解こうとするのではなく、次の順番で読み進めてください。
① 設問を読む。
② 問題のすぐ後に記載している正解を見る。
③ 正解の選択肢を読む。
例えば、ウが正解であれば、選択肢ウの記述を「これが正解なのだな」と思いながら、真っ先に読みます。
④ 不正解の選択肢を読む。
例えば、ア、イ、エの記述が誤りであれば、「どこが間違っているのかな」と思いながら読み進めます。
⑤ 解説を読む。
解説を読んで、「なるほどな」と思えば、それで結構です。
⑥ もう一度、設問とすべての選択肢を読む。
過去問は解こうとすると、途中で挫折してしまいます。休憩中の読み物といった感覚で、気楽に読み進めてください。
どんどん読み進めると、また繰り返し読んでいると、出題の特徴が自分なりにわかってきます。
それが、本番の試験ではたいへん役に立ちます。